現在、コロナウイルスの治療薬として名前があがっているもの6つについて効能効果や用法用量などを調べてみた。
あまり一般的に使われる薬でないものが多いのが現状。
今後、実際に効果があるかどうかの実験がなされるであろう。
アビガン200mg (富士フイルム)
一般名:ファビピラビル
効能効果
新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症(ただし、他の抗インフルエンザウイルス薬が無効又は効果不十分なものに限る)
用法用量
通常、成人にはファビピラビルとして1日目は1回1600mgを1日2回、
2日目から5日目は1回600mgを1日2回経口投与する。
総投与期間は5日間とすること。
副作用
催奇形性。初期胚の致死。
プラケニル錠200mg (サノフィ)
一般名:ヒドロキシクロロキン
効能効果
皮膚エリテマトーデス、全身性エリテマトーデス
※エリテマトーデス:膠原病の一つ。皮膚の赤い斑点のこと。
他にマラリアの治療、予防。関節リウマチ、小児リウマチに使われることがある。(適応外)
免疫調整剤と添付文書上はなっている。免疫細胞同士の伝達を阻害していると考えられている。
用法用量
通常、ヒドロキシクロロキンとして200mgまたは400mgを1日1回食後経口投与。
副作用
少ない。下痢。まれに視力低下、失明が起こるとされている。
現状
日本感染症学会が同剤を投与した症例報告をホームページに掲載している。
アメリカではトランプ大統領が新型コロナウイルス治療薬として推奨していた。500人超の臨床試験を行うとしている。
3月にアメリカで緊急使用許可が出たものの、有効性に関するエビデンスが得られず6月15日に許可を取り消された。
WHOも6月17日に入院患者に使用しても死亡率が下がらなかったため、ヒドロキシクロロキンの臨床試験を停止している。
オルベスコ (帝人)
一般名:シクレソニド
効能効果
気管支喘息
用法用量
通常、成人にはシクレソニドとして100〜400ugを1日1回吸入投与する。なお、症状により適宜増減するが、1日の最大とうよりょうは800ugとする。
小児にはシクレソニドとして100〜200ugを1日1回吸入投与する。
副作用
呼吸困難、嗄声(声枯れ)
現状
2020年12月に厚労省は、オルベスコが新型コロナ軽症や無症状の人に対する有効性を示すことができなかったので投与を続けるかどうか検討するよう全国の医療機関に通知しています。
カトレラ配合錠 (アッビィ)
一般名:ロピナビル200mg・リトナビル50mg配合剤
効能効果
HIV感染症
用法用量
1回2錠を1日2回又は1回4錠を1日1回投与する。
副作用
高脂血症、下痢、血中トリグリセリド増加。
注射用フサン10,50 (日医工)
一般名:ナファモスタットメシル塩酸塩
効能効果
急性膵炎、汎発性血管内血液凝固症
用法用量
1.膵炎の急性症状(急性膵炎、慢性膵炎の急性増悪、術後の急性膵炎、膵管造影後の急性膵炎、外傷性膵炎)の改善通常、1回、ナファモスタットメシル酸塩として10mgを5%ブドウ糖注射液500mLに溶解し、約2時間前後かけて1日1〜2回静脈内に点滴注入する。
なお、症状に応じ適宜増減する。
2.汎発性血管内血液凝固症(DIC)通常、1日量を5%ブドウ糖注射液1,000mLに溶解し、ナファモスタットメシル酸塩として毎時0.06〜0.20mg/kgを24時間かけて静脈内に持続注入する。
3.
出血性病変又は出血傾向を有する患者の血液体外循環時の灌流血液の凝固防止(血液透析及びプラスマフェレーシス)通常、体外循環開始に先だち、ナファモスタットメシル酸塩として20mgを生理食塩液500mLに溶解した液で血液回路内の洗浄・充てんを行い、体外循環開始後は、ナファモスタットメシル酸塩として毎時20〜50mgを5%ブドウ糖注射液に溶解し、抗凝固剤注入ラインより持続注入する。
なお、症状に応じ適宜増減する。
現状
ウイルス外膜と、感染する細胞の細胞膜との融合を阻止することで、ウイルスの侵入過程を阻止する可能性があるとしてこの薬が期待されています。
BCGワクチン
効能効果
結核予防
用法用量
9本針の注射を2箇所接種。
現状
BCGワクチンの免疫増強効果と多種類のウイルス予防効果がコロナ感染予防につながるとして期待されています。
アクテムラ点滴静注
効能効果
関節リウマチ
現状
新型コロナウイルス肺炎の適応で、国内第III相試験を実施すると発表。
ケブザラ (サノフィ)
一般名 サリルマブ
現状
第2/3相試験を開始。
新型コロナの重症・重篤例の肺で生じる強い炎症反応には、炎症サイトカインのIL-6が関与していると考えられている。ケブザラはIL-6受容体に結合しIL-6シグナル伝達経路を阻害する働きをもつ。
フォイパン錠
一般名 カモスタットメシル酸塩
現状
ドイツでヒトの細胞を使った実験で新型コロナウイルスの感染を妨げるとする論文が投稿された。
現在国内ではその件に関する臨床試験は行われていない。
デカドロン
一般名 デキサメタゾン
副腎皮質ホルモン製剤
商品名 デカドロン錠、デカドロン注射液
効能効果
関節リウマチ、ネフローゼ、気管支喘息、湿疹・皮膚炎、など多数効能あり。
副腎皮質ホルモン製剤=ステロイド剤。古くからあるお薬で安価で安全なお薬です。
現状
感染者6425人で2104人に投与、4321人に非投与。、経口あるいは静注で10日間の治療で人工呼吸器の装着が必要な患者では投与した患者さんがしなかった患者さんより約35%低かった。酸素供給が必要な患者さんでは、約20%低かった。自発呼吸ができる患者さんの死亡率は変わらなかった。重症者には効果がある。
ベクルリー点滴静注
一般名:レムデシベル
効能効果
SARS-CoV-2による感染症
用法用量
通常、成人及び体重40kg以上の小児にはレムデシビルとして、投与初日に200mgを、投与2日目以降は100mgを1日1回点滴静注する。
通常、体重3.5kg以上40kg未満の小児にはレムデシビルとして、投与初日に5mg/kgを、投与2日目以降は2.5mg/kgを1日1回点滴静注する。
なお、総投与期間は10日までとする。
現状
2020年5月に日本で特例承認された治療薬。唯一新型コロナの適応を持った薬です。現状、重症の患者さんのみに使用が許可されています。
この中のどれでもいいから、治療薬として早く世に出てほしい。
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