アビガンとは。

医療・薬・健康

アビガンの5月中の承認が見送られました。そもそもアビガンてどんな薬なのだろうか。再度おさらいしておきましょう。

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アビガンとは

一般名:ファビピラビル

販売名:アビガン錠200mg

製造会社 富士フイルム富山化学

効能・効果

新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症(ただし、他の抗インフルエンザウイルス薬が無効又は効果不十分なものに限る)

用法用量

通常、成人にはファビピラビルとして1日目は1回1600mgを1日2回、2日目から5日目は1回600mgを1日2回経口投与する。総投与期間は5日間とすること。

コロナウイルスに使う際の用法用量

1日目1回1800mgを1日2回、2日目以降は1回800mgを1日2回で、最長14日間とされています。

(日本感染症学会の「COVID-19に対する抗ウイルス薬による治療の考え方」)

作用機序

ウイルスの細胞内での遺伝子複製に必須の酵素(RNAポリメラーゼ)を選択的に阻害しウイルス増殖を防ぐ。

先に承認されたレムデシビルも同じような作用機序となっています。

抗インフルエンザ薬①:ノイラミニダーゼ阻害薬

インフルエンザ薬と言ってもいろいろあるのはみなさんもご存知のこと。では何が違うのか。

インフルエンザ薬でもっとも知名度があるのは、タミフルではないだろうか。このタミフルはインフルエンザ薬の中でも「ノイラミニダーゼ阻害薬」という種類のお薬でに分類されます。

このノイラミニダーゼ阻害薬には、

  • タミフル
  • リレンザ
  • ラピアクタ
  • イナビル

の4種類あります。

ノイラミニダーゼ阻害薬の作用機序

通常細胞内に侵入したインフルエンザウイルスは新たなウイルスを作り細胞の外へ放出され増殖します。この新たな細胞が外へ放出されるのを抑えるのがノイラミニダーゼ阻害薬です。

このお薬はウイルスの増殖は抑えることはできません。

抗インフルエンザ薬②ゾフルーザ

また2018年に1回で服用が可能な経口インフルエンザ薬が発売されました。それがゾフルーザです。

ゾフルーザの作用機序

ゾフルーザは、細胞内のキャップ依存性エンドヌクレアーゼを阻害し、ウイルスが増殖する際に必要な酵素を阻害し、ウイルスのmRNA(メッセンジャーRNA)の複製段階で複製を阻止します。

アビガンと同じくウィルス自体の増殖を抑えますが作用点が違います。

アビガンの製造承認

元々はインフルエンザ治療薬として開発されたお薬です。

2014年3月24日に日本で製造販売承認を取得しましたが、これは新型インフルエンザが流行し他の薬が効かないと国が判断した場合に、厚生労働大臣の要請を受けて製造を開始するという特殊な承認となっています。

副作用

血中尿酸増加、下痢など。

催奇形性が副作用として心配されています。そのためインフルエンザに対して使用する際も患者さんへの同意書を求めるなどの対応がとられています。

アビガンをコロナウイルスに使うには

アビガンを使える医療機関は感染症指定医療機関に限られ、製造販売業者である富士フイルム富山化学と使用成績調査の契約を行う必要があります。

つまりアビガンを使える病院とは

「感染症指定医療機関」

かつ、

「富士フイルムと使用成績調査の契約」

をしている医療機関のみです。

承認が遅れているのは

そもそも日本には医薬品の緊急使用許可制度がない。

レムデシビルは海外で販売が認められているが、アビガンは海外で販売が認められていない為。皮肉なことに純国産だということがレムデシビルとの承認の差となってしまいました。

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