【診療報酬改定2022】令和4年10月から変わる医療情報・システム基盤整備体制充実加算とは。オンライン資格確認。

医療・薬・健康

オンライン資格確認にかかわる診療報酬について10月から変更があります。まずは「電子的保健医療情報活用加算」が9月末で廃止されます。

そして10月から新たに「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」が新設されました。

出典:厚労省ホームページより(https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000975090.pdf)

【廃止】電子的保険医療情報活用加算

令和4年9月末で廃止される、電子的保険医療情報活用加算。

内容

オンライン資格確認システムの活用により、診断及び治療等の質の向上を図る観点から、外来において、オンライン資格確認システムを通じて患者の薬剤情報又は特定健診情報等を取得し、当該情報を活用して診療等を実施することについて、新たな評価を行う。

点数

初診料   電子的保険医療情報活用加算  7点

再診料   電子的保健医療情報活用加算  4点

外来診療料 電子的保険医療情報活用加算  4点

※初診のみ、施設基準を満たしていればオンライン資格確認システムを使わなくても3点加算可能。

対象患者

オンライン資格確認を活用する保険医療機関を受診した患者

算定要件

別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関を受診した患者に対して、健康保険法第3条第13項に規定する電子資格確認により、当該患者に係る診療情報等を取得した上で診療を行った場合は、電子的保健医療情報活用加算として、月1回に限りそれぞれ所定点数に加算する。

(※)初診の場合であって、健康保険法第3条第13項に規定する電子資格確認により、当該患者に係る診療情報等の取得が困難な場合又は他の保険医療機関から当該患者に係る診療情報等の提供を受けた場合等にあっては、令和6年3月31日までの間に限り、3点を所定点数に加算する。

→オンライン資格確認システムを使わなくても施設基準を満たしていれば初診のみ3点が取れる。

施設基準
  1. 療養の給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する省令(昭和51年厚生省令第36号)第1条に規定する電子情報処理組織の使用による請求を行っていること。→レセプト請求がオンラインであること
  2. 健康保険法第3条第13項に規定する電子資格確認を行う体制を有していること。
  3. 電子資格確認に関する事項について、当該保険医療機関の見やすい場所に掲示していること。

【新設】医療情報・システム基盤体制充実加算

令和4年10月から新設。

内容

令和5年度より、保険医療機関・薬局に、医療DXの基盤となるオンライン資格確認等システムの導入が原則義務化されることを踏まえ、当該システムを通じた患者情報の活用に係る現行の評価を廃止。

そのうえで、医療DXの推進により、国民が医療情報の利活用による恩恵を享受することを推進する観点から、初診時等における情報の取得・活用体制の充実及び情報の取得の効率性を考慮した評価を新設。

点数

医療情報・システム基盤体制充実加算

医療情報・システム基盤体制充実加算1

施設基準を満たす医療機関で初診を行った場合 4点

マイナンバーカードを利用しない場合(通常保険証で)に算定

医療情報・システム基盤体制充実加算2

2.1であって、オンライン資格確認等により情報を取得等した場合 2点

マイナンバーカードを保険証として利用して、オンライン資格確認等により情報の提供を受けた場合に算定

※オンライン資格確認システムを使わない場合の点数が高くなり、使うと低い点数となります。

施設基準

1.電子情報処理組織を使用した診療報酬請求を行っていること。(オンライン請求を実施していること)

2. オンライン資格確認を行う体制を有していること。なお、オンライン資格確認の導入に際しては、医療機関等向けポータルサイトにおいて、運用開始日の登録を行うこと。

3.次の事項を当該医療機関・薬局の見やすい場所及びホームページ等に掲載していること。

①オンライン資格確認を行う体制を有していること。(厚労省ポータルサイトに運用開始日の登録を行うこと)

②患者に対して、薬剤情報、特定健診情報その他必要な情報を取得・活用して診療等を行うこと。

※ホームページ掲載の際の例文としては、

「当院ではマイナンバーカードを利用したオンライン資格確認を行っています」

当院ではオンライン資格確認による情報(受診歴、薬剤情報、特定健診情報、その他必要な診療情報)を取得し活用しています。

など。

算定要件

上記の体制を有していることについて、掲示するとともに、必要に応じで患者に対して説明すること。(留意事項通知)

また問診票にこのシステムを使い情報を利活用することを明記する必要があり、次のような文書も出ています。

※この情報の取得・活用の具体的な方法として、上記にあわせて、初診時の問診票の標準的項目を新たに定めることを予定(薬局については、文書や聞き取りにより確認する項目を定めるとともに、当該情報等を薬剤服用歴に記録することを求める予定)

現在その標準的項目が掲載されています。以下厚労省リンク

初診時の標準的な問診票の項目等https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000985121.pdf

現在お使いの問診票で項目の足りない部分を付け足せば良いかと思います。

届け出の必要はない

この加算を取るために特別な届け出は必要ありません。

ただし、医療機関等向けポータルサイトでオンライン資格確認の運用開始日の入力が必須です。

まとめ

今回の改定の変更点としては、

  • 初診のみ加算の対象となった。(再診料では加算がとれなくなった)
  • オンライン資格システムを使うと点数が低く、使わないと高くなる。→患者さんにとってはオンライン資格確認をした方が医療費が安くなる
  • オンライン資格確認等を行っていることをホームページなどにも掲載することが必要になった。

疑義解釈(9/5発)

9月5日に出された疑義解釈についておおまかな部分を掲載していきます。

Q.オンライン資格確認等システムを通じて情報の取得を試みた結果、患者の診療情報が存在していなかった場合の算定は、どのようにすればよいか。

A.加算2を算定する。

Q.患者が診療情報の取得に同意しなかった場合の算定は、どのようにすればよいか。

A.加算1を算定する。

Q.患者の個人番号カード(マイナンバーカード)が破損等により利用できない場合や患者の個人番号カードの利用者証明電子証明書が失効している場合の算定は、どのようにすればよいか。

A.加算1を算定する。

Q.基準を満たす医療機関の医師が情報通信機器を用いて初診を行う場合(オンライン診療)や往診で初診を行う場合は算定できるか。

A.算定できない。

特例的な点数引き上げについて 令和4年12月23日

2022年12月23日、中医協はオンライン資格確認についてより普及を進める方針から特例的な引き上げをすると答申しました。その内容についてふれていきます。

具体的な内容としては、①医療情報・システム基盤体制充実加算1の上乗せ、②再診時の加算の新設の2点です。マイナンバーカードを保険証として利用しない場合の点数が引き上げられています。

点数

医療情報・システム基盤体制充実加算1   4点 → 6点

※マイナンバーカードを利用しない場合に加算

【新設】医療情報・システム基盤体制充実加算3  2点

※マイナンバーカードを利用しない再診時に月1回加算

医療情報・システム基盤体制充実加算2は変更ありません。

施設基準

施設基準については、オンライン請求についての基準が緩和されています。

1.電子情報処理組織を使用した診療報酬請求を行っていること。(オンライン請求を実施していること)

オンライン請求を202312月31までに開始する旨を地方厚生局等に届け出た場合には本加算を算定可能とする

2. オンライン資格確認を行う体制を有していること。なお、オンライン資格確認の導入に際しては、医療機関等向けポータルサイトにおいて、運用開始日の登録を行うこと。変更なし

3.次の事項を当該医療機関・薬局の見やすい場所及びホームページ等に掲載していること。変更なし

①オンライン資格確認を行う体制を有していること。(厚労省ポータルサイトに運用開始日の登録を行うこと)

②患者に対して、薬剤情報、特定健診情報その他必要な情報を取得・活用して診療等を行うこと。

期間

2023年4月1日~2023年12月31日まで

まとめ

  • 医療情報・システム基盤体制充実加算1が2点引き上げで6点に。
  • 医療情報・システム基盤体制充実加算3(2点)の新設
  • レセプトのオンライン請求でない医療機関も12月31日までに対応予定でその旨を届け出ていれば算定可能に。

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