診療報酬改定2022。診療所・クリニックで取れる加算「外来感染対策向上加算」とは。施設基準、届け出様式、必要書類など解説。

医療・薬・健康

2022年の診療報酬改定において診療所、クリニックにおいて算定可能な点数が新たに創設されました。

それが「外来感染対策向上加算」です。

ざっくりと患者さん1人に対して月1回6点が算定可能になります。

詳しい概要の確認と施設基準について解説していきたいと思います。

(随時新しい情報が入り次第追記していきます。)

  1. 外来感染対策向上加算
      1. 内容
      2. 算定要件
      3. 施設基準
    1. 施設基準の解説
        1. (1)専任の院内感染管理者が配置されていること。
        2. (4)感染防止対策につき、感染対策向上加算1に係る届出を行っている保険医療機関又は地域の医師会と連携すること。
        3. (6)感染防止に係る部門(以下「感染防止対策部門」という。)を設置していること。この場合において、第20の1の(1)のイに規定する医療安全対策加算に係る医療安全管理部門をもって感染防止対策部門としても差し支えない。
        4. (7)(6)に掲げる部門内に、専任の医師、看護師又は薬剤師その他の医療有資格者が院内感染管理者として配置されており、感染防止に係る日常業務を行うこと。なお、当該職員は第20の1の(1)アに規定する医療安全対策加算に係る医療安全管理者とは兼任できないが、第2部通則7に規定する院内感染防止対策に掲げる業務は行うことができる。
        5. (8)感染防止対策の業務指針及び院内感染管理者の具体的な業務内容が整備されていること。                                     (9)(7)に掲げる院内感染管理者により、最新のエビデンスに基づき、自施設の実情に合わせた標準予防策、感染経路別予防策、職業感染予防策、疾患別感染対策、洗浄・消毒・滅菌、抗菌薬適正使用等の内容を盛り込んだ手順書(マニュアル)を作成し、各部署に配布していること。なお、手順書は定期的に新しい知見を取り入れ改訂すること。
        6. (10)(7)に掲げる院内感染管理者により、職員を対象として、少なくとも年2回程度、定期的に院内感染対策に関する研修を行っていること。なお当該研修は別添2の第1の3の(5)に規定する安全管理の体制確保のための職員研修とは別に行うこと。
        7. (11)(7)に掲げる院内感染管理者は、少なくとも年2回程度、感染対策向上加算1に係る届出を行った医療機関又は地域の医師会が定期的に主催する院内感染対策に関するカンファレンスに参加していること。なお、感染対策向上加算1に係る届出を行った複数の医療機関と連携する場合は、全ての連携している医療機関が開催するカンファレンスに、それぞれ少なくとも年1回程度参加し、合わせて年2回以上参加していること。また、感染対策向上加算1に係る届出を行った医療機関又は地域の医師会が主催する新興感染症の発生等を想定した訓練について、少なくとも年1回参加していること。
        8. (14)当該保険医療機関の見やすい場所に、院内感染防止対策に関する取組事項を掲示していること。
        9. (15)新興感染症の発生時等に、都道府県等の要請を受けて発熱患者の外来診療等を実施する体制を有し、そのことについてホームページ等により公開していること。
      1. 加算のためのポイント
  2. 連携強化加算
      1. 算定要件
      2. 施設基準
  3. 届け出様式・必要書類

外来感染対策向上加算

以下、厚生労働省HP「個別改定項目について」より抜粋

内容

診療所について、平時からの感染防止対策の実施や、地域の医療機関等が連携して実施する感染症対策への参画を更に推進する観点から、外来診療時の感染防止対策に係る評価を新設する。

外来感染対策向上加算    6点

算定要件

組織的な感染防止対策につき別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関(診療所に限る。)において診療を行った場合は、外来感染対策向上加算として、患者1人につき月1回に限り所定点数に加算する。

以下を算定する場合において算定可能とする(ただし、以下の各項目において外来感染対策向上加算を算定した場合には、同一月に他の項目を算定する場合であっても当該加算を算定することはできない。)。

  • 初診料
  • 再診料
  • 小児科外来診療料
  • 外来リハビリテーション診療料
  • 外来放射線照射診療料
  • 地域包括診療料
  • 認知症地域包括診療料
  • 小児かかりつけ診療料
  • 外来腫瘍化学療法診療料
  • 救急救命管理料
  • 退院後訪問指導料
  • 在宅患者訪問診療料(Ⅰ)・(Ⅱ)
  • 在宅患者訪問看護・指導料、同一建物居住者訪問看護・指導料
  • 在宅患者訪問点滴注射管理指導料
  • 在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料
  • 在宅患者訪問薬剤管理指導料
  • 在宅患者訪問栄養食事指導料
  • 在宅患者緊急時等カンファレンス料
  • 精神科訪問看護・指導料

施設基準

(1)専任の院内感染管理者が配置されていること。

(2)当該保険医療機関内に感染防止対策部門を設置し、組織的に感染防止対策を実施する体制が整備されていること。

(3)当該部門において、医療有資格者が適切に配置されていること。

(4)感染防止対策につき、感染対策向上加算1に係る届出を行っている保険医療機関又は地域の医師会と連携すること。

(5)診療所であること。

(6)感染防止に係る部門(以下「感染防止対策部門」という。)を設置していること。この場合において、第20の1の(1)のイに規定する医療安全対策加算に係る医療安全管理部門をもって感染防止対策部門としても差し支えない。

(7)(6)に掲げる部門内に、専任の医師、看護師又は薬剤師その他の医療有資格者が院内感染管理者として配置されており、感染防止に係る日常業務を行うこと。なお、当該職員は第20の1の(1)アに規定する医療安全対策加算に係る医療安全管理者とは兼任できないが、第2部通則7に規定する院内感染防止対策に掲げる業務は行うことができる。

(8)感染防止対策の業務指針及び院内感染管理者の具体的な業務内容が整備されていること。

(9)(7)に掲げる院内感染管理者により、最新のエビデンスに基づき、自施設の実情に合わせた標準予防策、感染経路別予防策、職業感染予防策、疾患別感染対策、洗浄・消毒・滅菌、抗菌薬適正使用等の内容を盛り込んだ手順書(マニュアル)を作成し、各部署に配布していること。なお、手順書は定期的に新しい知見を取り入れ改訂すること。

(10)(7)に掲げる院内感染管理者により、職員を対象として、少なくとも年2回程度、定期的に院内感染対策に関する研修を行っていること。なお当該研修は別添2の第1の3の(5)に規定する安全管理の体制確保のための職員研修とは別に行うこと。

(11)(7)に掲げる院内感染管理者は、少なくとも年2回程度、感染対策向上加算1に係る届出を行った医療機関又は地域の医師会が定期的に主催する院内感染対策に関するカンファレンスに参加していること。なお、感染対策向上加算1に係る届出を行った複数の医療機関と連携する場合は、全ての連携している医療機関が開催するカンファレンスに、それぞれ少なくとも年1回程度参加し、合わせて年2回以上参加していること。また、感染対策向上加算1に係る届出を行った医療機関又は地域の医師会が主催する新興感染症の発生等を想定した訓練について、少なくとも年1回参加していること。

(12)院内の抗菌薬の適正使用について、連携する感染対策向上加算1に係る届出を行った医療機関又は地域の医師会から助言等を受けること。また、細菌学的検査を外部委託している場合は、薬剤感受性検査に関する詳細な契約内容を確認し、検査体制を整えておくなど、「中小病院における薬剤耐性菌アウトブレイク対応ガイダンス」に沿った対応を行っていること。

(13)(7)に掲げる院内感染管理者は、1週間に1回程度、定期的に院内を巡回し、院内感染事例の把握を行うとともに、院内感染防止対策の実施状況の把握・指導を行うこと。

(14)当該保険医療機関の見やすい場所に、院内感染防止対策に関する取組事項を掲示していること。

(15)新興感染症の発生時等に、都道府県等の要請を受けて発熱患者の外来診療等を実施する体制を有し、そのことについてホームページ等により公開していること。

(16)新興感染症の発生時等に、発熱患者の診療を実施することを念頭に、発熱患者の動線を分けることができる体制を有すること。

(17)「抗微生物薬適正使用の手引き」(厚生労働省健康局結核感染症課)を参考に、抗菌薬の適正な使用の推進に資する取組を行っていること。

(18)新興感染症の発生時等や院内アウトブレイクの発生時等の有事の際の対応について、連携する感染対策向上加算1に係る届出を行った医療機関等とあらかじめ協議し、地域連携に係る十分な体制が整備されていること。

(19)区分番号A234-2に掲げる感染対策向上加算に係る届出を行っていない診療所であること。

施設基準の解説

それでは施設基準について疑問を持ちそうな部分を解説していきたいと思います。

(1)専任の院内感染管理者が配置されていること。

感染対策の管理者になる人を任命する必要があります。「専任」となっていますので他の業務とかけもちが可能です。(※「専従」はほかの仕事とかけもちができないということ。)医師や看護師・薬剤師、その他医療有資格者が管理者となれます。

(4)感染防止対策につき、感染対策向上加算1に係る届出を行っている保険医療機関又は地域の医師会と連携すること。

感染対策向上加算1の届け出を行っている医療機関については、発熱外来やコロナの診察・治療を行っている地域の基幹病院等がそれにあたることが多いです。また病院によってはホームページ等で連携可能をうたっている施設もあります。

感染対策向上加算1の算定に他の医療機関との連携が施設基準として設けられているので、感染対策向上加算1算定病院も積極的に連携を推進しています。

(6)感染防止に係る部門(以下「感染防止対策部門」という。)を設置していること。この場合において、第20の1の(1)のイに規定する医療安全対策加算に係る医療安全管理部門をもって感染防止対策部門としても差し支えない。

第20の1の(1)のイとは、

第20 医療安全対策加算 

1 医療安全対策加算1に関する施設基準 

(1) 医療安全管理体制に関する基準 

イ 医療に係る安全管理を行う部門(以下「医療安全管理部門」という。)を設置していること。

医療安全対策加算1を算定する際に設置している医療安全管理部門を感染対策部門としても良いということです。

(7)(6)に掲げる部門内に、専任の医師、看護師又は薬剤師その他の医療有資格者が院内感染管理者として配置されており、感染防止に係る日常業務を行うこと。なお、当該職員は第20の1の(1)アに規定する医療安全対策加算に係る医療安全管理者とは兼任できないが、第2部通則7に規定する院内感染防止対策に掲げる業務は行うことができる。

第20の1の(1)アとは、

第20 医療安全対策加算 
1 医療安全対策加算1に関する施設基準

 (1) 医療安全管理体制に関する基準

 ア 当該保険医療機関内に、医療安全対策に係る適切な研修を修了した専従の看護師、薬剤師その他の医療有資格者が医療安全管理者として配置されていること。なお、ここでいう適切な研修とは、次に掲げる全ての事項に該当するものをいう。また、既に受講している研修がこれらの事項を満たしていない場合には、不足する事項を補足する研修を追加受講することで差し支えない。

医療安全対策加算1で管理者となっている方は今回の感染対策の管理者にはなれません。

(8)感染防止対策の業務指針及び院内感染管理者の具体的な業務内容が整備されていること。                                     (9)(7)に掲げる院内感染管理者により、最新のエビデンスに基づき、自施設の実情に合わせた標準予防策、感染経路別予防策、職業感染予防策、疾患別感染対策、洗浄・消毒・滅菌、抗菌薬適正使用等の内容を盛り込んだ手順書(マニュアル)を作成し、各部署に配布していること。なお、手順書は定期的に新しい知見を取り入れ改訂すること。

指針と手順書の作成が必要になります。

(10)(7)に掲げる院内感染管理者により、職員を対象として、少なくとも年2回程度、定期的に院内感染対策に関する研修を行っていること。なお当該研修は別添2の第1の3の(5)に規定する安全管理の体制確保のための職員研修とは別に行うこと。

院内での感染対策研修会が必要です。

また医療機関外で行われる研修に参加することで、この要件を満たすことはできません。外部講師を院内に招いての院内研修の場合は要件を満たします。

(11)(7)に掲げる院内感染管理者は、少なくとも年2回程度、感染対策向上加算1に係る届出を行った医療機関又は地域の医師会が定期的に主催する院内感染対策に関するカンファレンスに参加していること。なお、感染対策向上加算1に係る届出を行った複数の医療機関と連携する場合は、全ての連携している医療機関が開催するカンファレンスに、それぞれ少なくとも年1回程度参加し、合わせて年2回以上参加していること。また、感染対策向上加算1に係る届出を行った医療機関又は地域の医師会が主催する新興感染症の発生等を想定した訓練について、少なくとも年1回参加していること。

管理者はカンファレンスに年2回、感染症を想定した訓練に年1回参加。つまり最低でも年3回研修への参加が必要となります。

(14)当該保険医療機関の見やすい場所に、院内感染防止対策に関する取組事項を掲示していること。

具体的には以下のものを掲示します。

  • 院内感染対策に係る基本的な考え⽅
  • 院内感染対策に係る組織体制、業務内容
  • 抗菌薬適正使⽤のための⽅策
  • 他院等との連携体制

(15)新興感染症の発生時等に、都道府県等の要請を受けて発熱患者の外来診療等を実施する体制を有し、そのことについてホームページ等により公開していること。

発熱外来を行っている医療機関が対象となるようです。COVID-19に係る診療・検査医療機関がそれに該当します。

COVID-19の診療・検査医療機関に登録をしているが県や自治体のホームページに公開されるまでの間、寺院のホームページで掲載・公開することでも要件を満たします。

加算のためのポイント

解説をまとめるとポイントは、

①感染対策部門の設置と管理者の任命。

②医療機関、医師会との連携。

③最低年3回の研修参加。

④発熱外来の実施(診療・検査医療機関の登録)院内で発熱患者用の動線の確保。

といったところです。

また外来感染対策向上加算を算定し、さらに一定の基準を満たすことで以下の加算も算定できるようになりました。

連携強化加算

外来感染対策向上加算に係る届出を行っている保険医療機関が、感染対策向上加算1に係る届出を行っている他の保険医療機関に対し、定期的に院内の感染症発生状況等について報告を行っている場合及び地域のサーベイランスに参加している場合の評価をそれぞれ新設する。

連携強化加算  3点

算定要件

感染症対策に関する医療機関間の連携体制につき別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において診療を行った場合は、連携強化加算として、患者1人につき月1回に限り所定点数に加算する。

施設基準

(1)他の保険医療機関(感染対策向上加算1に係る届出を行っている保険医療機関に限る。)との連携体制を確保していること。

(2)外来感染対策向上加算に係る届出を行っている保険医療機関であること。

(3)連携する感染対策向上加算1に係る届出を行った医療機関に対し、過去1年間に4回以上、感染症の発生状況、抗菌薬の使用状況等について報告を行っていること。

届け出様式・必要書類

届け出様式についてですが、届け出の際に必要な書類は以下です。(書く地域の厚生局ホームページから可能)

様式1-4の書類の下部に記載がありますが、さらに

  • 感染防止対策部門の設置及び組織上の位置づけが確認できる文書
  • 感染防止対策部門の業務指針及び院内感染管理者の業務内容が明記された文書
  • 標準予防策の内容を盛り込んだ手順書

の3つの書類の添付が必要となります。

感染防止対策の業務指針は、日本医師会よりひな形が作成されていますのでご参考まで。

院内感染対策指針(日本医師会作成。PDFファイル)

また標準予防策の内容を盛り込んだ手順書もひな形が作成されていますのでご参考まで。

感染防止対策手順書(日本医師会作成。PDFファイル)

「感染防止対策部門の設置及び組織上の位置づけが確認できる文書」については小規模な開業医さんですと、管理者=院長となると思いますので、院内感染対策指針の中に「院長を管理者とした感染防止対策部門を設置する」といった文書を盛り込めば良いと思います。

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