最近テレビCMなどでも接種を推進されている帯状疱疹の予防接種。
全国の一部の自治体では接種に対する補助を実施しているところもあります。
対象は50歳以上
帯状疱疹の予防接種は50歳以上の方が接種対象となっています。
これは帯状疱疹が高齢になると発症しやすいということと、さらに50歳以上で発症率が高くなるというデータに基づいているそうです。高齢になると免疫力が低下することが原因と考えられています。
※50歳未満の方への接種に関しては適応外となるため、もし大きな副作用が出た場合に救済制度の対象外となる可能性があるそうです。
対象ワクチンは2種類ある
この帯状疱疹予防ワクチンですが2種類あります。
一つは水疱瘡予防につかわれる「水痘ワクチン」というもの。もうひとつは帯状疱疹予防のみを目的につくられた「シングリックス筋注」というものになります。
どちらも帯状疱疹の発症と発症した際の重症度も低下させる効果を持っています。
ひとつひとつ特徴をみていきたいと思います。
水痘ワクチン
こちらは小児のみずぼうそうの予防ワクチンとしても使われているワクチンです。生ワクチン。
接種回数
1回(皮下注射)
※小児でみずぼうそうの予防を目的として接種する場合は2回です。
追加接種は可能ですが、おおよそ5年効果が持続するといわれているので再接種は5年以上あけるのが良いかと思います。
予防効果
発症予防効果はおおよそ50%。
帯状疱疹後の神経痛の発症率はおおよそ66%低下させ、重症度も61%低下させると言われています。
予防効果の持続期間と免疫獲得までに要する期間
今のところはっきりと効果がどれだけ持続したというデータは出ていません。ただ海外でこの水痘ワクチンとほぼ同等のものを使ったデータでは、5年間の発症予防効果がみられたそうです。
また抗体価が上昇するのは4週間以降という報告があります。
副反応
注射部位の発赤、掻痒感、熱感、腫脹、疼痛などがあります。
接種料
各医療機関で接種料はそれぞれですが、おおよそ、
7,000円~10,000円ぐらいで接種できます。
シングリックス
こちらは帯状疱疹予防のみを目的として作られたワクチンです。不活化ワクチン。
接種回数
2回(筋肉注射)初回接種後2か月後に2回目を接種します。
予防効果
発症予防効果はおおよそ97%。
帯状疱疹後の神経痛の発症率は80%以上。
予防効果の持続期間と免疫獲得までに要する期間
データ上では9年間抗体が維持されていました。ですので9年以上は効果が持続するといわれています。
2022年10月19日にGSKから発表された報告によると10年目まで効果が持続することが確認されています。
副反応
シングリックスの安全性
2つの国際共同第Ⅲ相臨床試験の併合解析(ZOSTER-006/022併合解析)において、接種後7日間に報告された局所性(注射部位)の副反応は3,944/4,884例(80.8%)に認められ、主なものは、疼痛3,810例(78.0%)、発赤1,863例(38.1%)、腫脹1,267例(25.9%)で、持続期間の中央値はすべて3.0日でした。また、全身性(注射部位以外)の副反応は3,159/4,876例(64.8%)に認められ、主なものは、筋肉痛1,949例(40.0%)、疲労1,895例(38.9%)、頭痛1,588例(32.6%)でした。(承認時)
出典:グラクソスミスクラインHPより(https://gskpro.com/ja-jp/products-info/shingrix/clinical-studies-safety/safety/)
接種料
こちらも各医療機関で接種料はそれぞれですが、おおよそ、
1回22,000円~26,000円ぐらいで2回接種なので合計で、
44,000円から50,000円ほどかかります。
まとめ
2種類のワクチンで以下のようなまとめとなります。
水痘ワクチン | シングリックス | |
効果 | 強い | |
持続期間 | 5年 | 10年 |
コスト | 安い | 高い |
どちらも帯状疱疹の発症を抑制し、重症化を抑えることに違いはありません。発症や重症化をおさえるためにも心配な方は接種をおすすめいたします。
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